はじめに
NOBUNAGA Labs のAdvanceシリーズからmmcx端子のイヤホン専用リケーブルとして発売されている 瑞鳳 颯 (ずいほう はやて)のレビューです。 2月半ばに購入したものなので約半月使用してのレビューになります。
スペック
ケーブル
線材 | 8芯OFC錫メッキ線 |
コネクタ | mmcx ⇔ 4.4mm5極プラグ |
8芯構成のケーブルです。1芯が太く被膜もしっかりしていることに加え、プラグも金属製で全体的に重みがあるため、質感は良いですが重量重めのケーブルです。
出典:http://www.wisetech.co.jp/brand/nobunaga/product/zuihou-hayate/index.html
イヤーループ部分に癖付けはありません。
音質
今回のレビューはShure SE846(ブライトノズル)を使用し、純正ケーブルと比較した場合の相対的な評価を記載します。
純正ケーブルは3.5mmアンバランスなので接続方式の違いによる音質の変化も込みの評価となります。
高域(High)
高域の特性に大きな変化はありません。
若干左右の音の振りがはっきりするような気もしますが、これはバランス化による恩恵であり、このケーブル独特の変化ではないと思います。
中域(Mid)・ボーカル
わかりやすく音場が広がり、さらに明瞭な音質に変化します。元のケーブルと比較すると、若干リスニングライクに変化するように感じました。
音場が広がるように感じるのは純正ケーブルに比べて芯数が倍増することによる微小な位相のズレや、バランス化に伴うものかと思いますが、気持ちよく聴ければそれでよいのです。
私が特に気に入ったのはこの帯域の変化で、リスニング用途で使用するにはやや退屈なSE846の中域をやりすぎない程度に絶妙なラインできらびやかに変化させてくれます。
モニター用途で使用するのであれば純正ケーブルのほうが優秀という見方もできるため、用途に応じて使い分けるのが望ましいでしょう。
低域(Bass)
締まりと艶感が感じられ、打ち込み/EDMを聴いたときに優位性を感じます。
この帯域に関しても、リスニング用途では本ケーブルが優秀/モニター用途では純正のほうが優秀と言えると思います。
音色/解像度
中~低域にメリハリが生まれるため、ややクール寄りになり解像度が高くなったように感じますが、おそらく・・・解像度は純正ケーブルと同程度だと思います。
「解像”感”は高いが、解像”度”には変化なし」と言えると思います。
音場
前述した通り中域の音場は広がりますが、それ以外は特に変化がないように感じます。
多くの音楽では中域を占める割合が大きいため、中域の見通しが良くなると全体的に息苦しさがなくなります。
SE846はモニター向けイヤホンであるため、もともと音場が広いイヤホンではありません。しかし、本ケーブルを使用することにより、音場が広がりこれまでと違った良さを感じることができました。
まとめ
OFC錫メッキ線という、ややありきたりな線材の組み合わせではありますが、価格からすると音質の変化を強めに感じることができ、個人的にはコスパの高いケーブルだと思います。
人によってはケーブルの重さが気になる方もいるかも知れませんが、私はケーブルの重さよりも質感の良さや音質の良さがこれを上回ったため、購入に至りました。
- 重量(軽さ)よりも質感重視
- 堅牢で高級感のあるケーブルを求めている
- モニターイヤホンをリスニング向けにチューニングしたい ※
- 中域の音場を広げ、質感を高めたい ※
※ 使用イヤホンによっては特性が変わる可能性あり
という人におすすめできるかと思います。
Shure SE846等のモニターイヤホンを使っている方は良い味変になって楽しいのではないでしょうか。